こんにちは😊
やまさき歯科・矯正歯科 院長の山﨑篤です。
今日は、「喫煙者はインプラント治療が受けれる?
喫煙が及ぼす影響」についてお話しします。
患者様から「禁煙してからじゃないと、インプラント治療は
できませんか?」と、質問を受けることがあります。
また、タバコを辞められないけれど、インプラントに興味があり
治療を望んでいる方も多いと思います。
血流の悪化や免疫の低下などは、インプラント治療に
大きな影響を及ぼします。
インプラント治療は、歯を失った箇所に
人工歯根(インプラント体)を埋入して、
人工歯をかぶせて口腔機能を回復させる治療です。
入れ歯とは異なる固定式であり、インプラント体は顎の骨と結合
するため、天然歯と同程度の力で噛めることが特徴です。
一般的な喫煙者であれば、インプラント治療は受けられます。
従来のタバコよりも有害物質が少ない、電子タバコや
加熱式タバコであっても有害物質がまったくないわけでは
ないので、リスクはゼロではありません。
理由は、タバコに含まれている有害物質であるニコチンや
タールは血管を収縮させて、口内の血流が悪くなるからです。
喫煙がインプラント治療にどう影響するのかということを
詳しく説明していきます。
1️⃣インプラント体と骨の結合を阻害する
インプラントと骨が上手く結合しない理由は「喫煙」以外にも
・骨の状態が悪い
・埋め込み位置・角度が適切でない
・糖尿病などの全身疾患にかかっている
等があります。
一般的にインプラント体には、「チタン」という金属が
使われています。チタンは、人間の身体になじみやすい性質が
あり、体内で異物として認識されません。
そのため、骨折した骨が回復して再度くっつくような
身体が治癒する働きが、チタンでつくられたインプラント体の
周辺でも発生します。
骨は新陳代謝しており、常に新しい骨と古い骨が入れ替わって
います。新しくできた骨がインプラント体のチタンを取り囲み、
表面を覆う酸素分子と強く結びついて、チタンの細かい部分まで
入り込むようになります。
このチタンと骨が結合する現象は、
「オッセオインテグレーション」と呼ばれ
現在のインプラント治療に欠かせません。
先ほどお伝えしたように、タバコに含まれるニコチンには
血管収縮作用があります。これが原因となり、インプラントの
オペ後に必要な栄養や酸素が十分にいきわたらず、
インプラント体と顎の骨の結合が阻害されるのです。
糖尿病などの全身疾患にかかっている場合は、骨の代謝が滞る
傾向にあり、高血圧など、血糖値や血圧をコントロールできて
いない場合も、インプラント治療ができない可能性があります。
傷の治りが遅く、免疫力の低下により感染リスクがあります。
貧血の場合も体内の酸素不足が原因で、骨との結合が妨げられる
ケースが少なくありません。
2️⃣インプラント歯周炎になりやすい
タバコによって唾液分泌が抑制され、唾液の自浄作用が
低下します。そのため、お口の中が歯周病菌が増殖しやすい
環境になります。インプラント歯周炎とは、インプラント周りの
歯周組織が炎症を起こす病気です。インプラントは人工物である
ため、虫歯や歯周病に侵されることはありませんが、
インプラント周囲の粘膜や歯槽骨は歯周病になります。
通常の歯周病と比べてインプラント歯周炎は進行が早いため、
気付くのが遅れるとインプラントが抜け落ちることもあります。
インプラントを長持ちさせるために、インプラント周囲炎の予防
は欠かせません。
【インプラント歯周炎の症状】
・歯茎が腫れる
・歯茎が赤くなる
・歯茎から出血する
・歯茎がやせる
・歯茎から膿が出る
・歯茎周辺に痛みがある
・インプラントがぐらつく
インプラント歯周炎の初期症状は、歯周病の初期症状と同様に、
ほとんど自覚症状がありません。
進行することで明らかな症状が現れ、治療が必要と感じるほど
症状が進んだ時には、重症度が高い可能性があります。
【インプラント歯周炎の治療方法】
インプラント歯周炎の治療での基本は、歯周ポケットの中まで
クリーニングで洗浄をしてプラークを除去し、歯周病菌の増殖を
防ぎます。症状が進むと、必要に応じて消毒や殺菌をしたり、
抗菌剤を使ったりして歯周病菌を除去します。
インプラントは正常な状態であれば顎の骨と直接、強固に癒着
しているため、インプラント歯周炎が悪化しない限り、
あまり動揺することがありません。
そのため自覚症状が少なく、知らないうちに症状が進行して
しまっているということもあります。
【インプラント歯周炎の予防方法】
1:歯周病を治してからインプラントを入れる
歯周病を治さないままインプラントを入れると、健常者がインプラントを入れた場合に比べ、インプラント周囲炎になる確率が約4倍も高くなることが明らかになっています。インプラント周囲炎を予防するには、まずは歯周病を治療してから行いましょう。
2:お手入れのしやすいインプラントを入れる
費用や見た目、耐久性に関心が集まりがちなインプラント治療
ですが、インプラントを埋入した後の自分でのお手入れのことも
考えてみてください。歯磨きがしにくい形態だと、プラークが
溜まりがちでインプラント周囲炎のリスクも高まります。
自分でのお手入れを大切にし、インプラント歯周炎を予防する
ために「歯磨きしやすい被せ物」を入れることが重要です。
当院のインプラントは、自分でのケアもしやすく
専用の歯ブラシもご紹介いたします。
3:生活習慣を改善する
タバコを吸うと白血球の機能が低下し、歯周病菌に対する
抵抗力が低下します。術前に頑張って禁煙された方は術後すぐに
喫煙してもいいか?という部分に関しましては、
インプラント治療後は、インプラント体と顎の骨の結合を促し
傷口を治癒させるために、2週間程度は禁煙することが
推奨されます。しばらく経ったら喫煙を再開しても良いか
というと、そういうことでもありません。
インプラント治療後に喫煙するということは、
インプラント周囲炎になりやすい口腔状態になる
ということです。唾液も減るので、インプラントだけではなく、
天然の歯にも悪影響を及ぼします。
インプラント治療をきっかけに思い切って
喫煙をやめるのが理想です!
患者様自身と歯科治療で力を合わせて、健康な口腔状態を
維持し、長期間インプラントを使えるようにしましょう!
★まとめ
喫煙は、インプラント治療と深い関係があります。
場合によっては、喫煙していることによってインプラント治療を
受ける際に支障がでることもあります。
喫煙をやめることは難しいことですが、歯のこと、
今後過ごしていく時間のことを考えて、少しでも長い期間
インプラントを使い続けていっていただきたいと思います。
インプラント治療は、術後のメインテナンスが非常に重要です。
メインテナンスを受けていないと、インプラント歯周炎になる
確率が6倍もあがる研究結果もでています。
インプラントを長期にわたって使い続けるため、
適切なケアを継続していけたらと思います。
当院がサポート致しますので、
ぜひお気軽にご相談下さいね😊